フェーン現象で夏は地味に暑い、大阪は茨木市のデザイン事務所「ハシルデザイン」です。
最近の打ち合わせはもっぱらZoomが多くなってきたのですが、移動時間や拘束時間がなくなった分、打ち合わせの頻度は高くなってきました。
個人的にはZoomはちょっと気を抜くと力が抜けて真顔になるのであまり得意ではないのですが、打ち合わせが多くなってきたことはとてもうれしく思っています♪
直にお会いしにいくのも、移動の電車も含めて好きなので、オフラインの打ち合わせもお気軽に♪
さてさて、オンラインでのやり取りが主流の今、よくあるのがデザイン制作も「メールで完結」というパターン。(うちはほとんどないのですが…)
メールで完結だとコミュニティコストが低いメリットがありますし、一定の距離があるので初めての方とでも落ち着いて対応できそうですよね。
しかし、直接お話するとき(Zoomも含む)に得られる情報量はヒアリングシートやメールのやりとりよりはるかに効率的で情報量も多く、クライアント・デザイナーの双方にメリットしかありません。
今回は「デザイナーこそクライアントともっと話すべき」論を提唱していきたいと思います!
デザイナーはコミュニケーションが苦手?
初っ端からちょっと脇道にそれるんですが、意外にデザイナーの方で「コミュニケーションが苦手だから(苦手と思っていたから)デザイナーになった」というケースが多かったんです。
SNS全盛の今はまた事情が違うのですが、少なくとも私が学生の時はデザイナー=職人みたいなイメージだったので、あまり人と喋らなくてもなりたつ職業のような印象でした。
かくいう私も最初はそう思ってたんです。会社に入るまでは。
でも会社に入って、人と喋らないって仕事してないと同義なわけで。デザイナー、むっちゃ喋る。
そしてよくある営業さんの無責任請負から自身の身を守るためにも、ロジカルに反論&折衷案の提示をするためにも ケンカのような 密なディスカッションは必要です。
コミュニケーションから逃げていると、どんどん自分の立場が弱くなっていく…!
私ももともと人とのコミュニケーションに自信が無いほうでしたが、場数を踏み、いろいろ開き直って、今ではお話をお聞きするのがすごく好きになりました。
コミュニケーションはうまい下手ではなくって、丁寧にコミュニケーションをとる気があるかどうかだと思っています。
お話をお聞きするのは喋り下手でも丁寧にできるコミュニケーションですし「ヒアリング」と言うだけあって、デザイナー側が話しまくるのもちょっと違う。
会社のこと、商品のことはもちろん、担当者さんのこと、込めている思いなどのテキストベースでは掘り下げるのが難しいものも、お話すると時間の割には濃い情報量になります。
そういう意味でも双方のメリットが大きいので「できれば最初はお話したいな」と思うのです。
デザインの答えをクライアントから教えてもらわない
実は、デザイン自体は必要項目を教えていただければつくることができます。
そのため、ヒアリングシートを用意している方も多いですね。
しかしそれでは「ただ情報を整理してレイアウトしただけ」になりかねません。
なぜそのお客さんを狙いたいのか、なぜその目標に至ったのか、媒体選定の根拠は?伝えたい思いは?
ヒアリングシートやメールだけだと、それらの言語化をすべてクライアントに丸投げしてしまうことになります。
自分の頭の中のことやイメージを齟齬無く伝えるのは慣れた人でも難しいもの。
むしろその言語化、顕在化できない部分を汲み取って見えるモノにしていくのがデザイナーの役目だと思っています。
特に初めてのデザイン制作を依頼されるクライアントは、やり取りを経て結果的に「想定していたデザインとはかけ離れたところに着地」ということがかなり多いです。
個人的にはそれは全然問題ではなく、むしろ一緒に「答え探し」をしっかりできた結果だと思っています。
デザインは伝えたいものをカタチにして、わかりやすく伝えるのが役目です。
そのためにいろいろな情報をピースとして集める作業もあるのですが、そのピースの一つに「クライアントの思うこと、考えること」もちゃんと含まれているべきです。
それを汲んでカタチにするのがデザインなので、「参考デザイン」と称して、その「答え」をクライアントに聞いてしまってはいけないと思っています。
クライアントのお話を聞くことはデザイナーにもメリットがいっぱい
個人的には、クライアントからお話をお聞きすることはデザイナー側にこそメリットが多いと思っています。
実は、デザインってディスプレイの前ででーんと座っているときより、やいやいお話してたり、外をウロウロしてるほうが思いつくことが多いのです。(あくまでも私の場合)
お話してたり体を動かしたりしていると、脳があれこれ同時にしないといけないから普段より活性化されるのでしょう。多分。
お話している中だと、普段思いつかないようなことでも「こういう方法いいのでは?」とか「前に見たこれが参考になるかも」とポンポン出てくるから不思議。
長いお付き合いのクライアントには行き詰まっている時、私から進捗や方向性の確認も兼ねてご相談をお願いすることもあります。
初めてのクライアントのヒアリングは、まずクライアントのこと、担当者さんのことを知ることに必死です。
制作するデザインにも一見関係ないようなこともお聞きします。
ですがそのお話の中で背景が見えてきたり、捉え方や重視しているものがつかめてくるので、完全な無駄話ではなく…(^_^;)
そしてそれがのちのちの制作物の「デザインの芯」になってきます。
ついついデザインは情報をレイアウトするのが主目的で、成果物を納品したら終わり!となりがちですが、それを運用しだしてからが本番。
デザインの向こう側にいらっしゃるクライアント、エンドユーザーの方々を思い浮かべると、またデザインの答えの出し方も変わってくると思います。
まとめ
「デザイナーこそクライアントともっと話すべき」ということで持論をいろいろ展開してきましたが、適切なコミュニケーションはクライアントにもデザイナーにも双方メリットしか無いよ!もっと話し合おう!が伝われば万々歳。
これからも私はテキストベースだけでなく、会話でのコミュニケーションも大切にしていきたいと思っています。
あと、多分なんですが、デザイナーは情報の整理が避けられない業務なので、情報の整理は強制的に上達していきます。
「デザイナーに話して、客観的に整理してもらって自分では見えないものが見えてきた」なんて嬉しい副産物があると思うので、ぜひお話してみてください!
ちなみに、物理の整理がうまいかどうかはまた別です。
そんなハシルデザインにデザインについて相談してみたい!という方はぜひお気軽にお声がけください!