冒険するラフデザイン

未だにエアコンは冷房か除湿かで悩む、大阪は茨木市のデザイン事務所「ハシルデザイン」です。

先日「デザインをお願いしたら、いくつくらい提案してくれるんですか?」というご質問をいただきました。

確かに「いくつかの中から選べるのか、決め打ちで出されても気に入らなかったら修正は無料で対応してくれるの?」とか気になりますよね。

タンダ

答えとしては「何案とは決まりがない」なのですが、決め打ちで1案のみ!ということはめったにありません。

そして修正も必要なすり合わせと考えているので、基本的には追加でいただきません。

というのもハシルデザインは「最初の提案は方向性の確認と見定め」の場であり、クライアントとのすごーく大切なコミュニケーションの機会だと考えています。

今回は最初のラフを提出する際、よく押さえる3つのパターンとともに、どのような流れで方向性を探っていくのかをお話していきますね!

今回のお題は新規分譲開始の戸建てのチラシです!

目次

1案目は王道にニーズど真ん中なデザイン

1案目は素直にヒアリングでお聞きしたものをストレートにカタチにします。

戸建ての新規分譲チラシつくって

狙いとしては、そのヒアリング時に出てきた要望がイメージしていたものと合致しているかどうかの確認のため。

意外に思われるかもしれませんが、ヒアリング通りの案で「なんだかイメージと違った」となることがあります。

それもそのはず。

依頼をされるご担当の方はイメージの言語化や具体化のプロではないですし、会議で出てきた案の取りまとめを伝えられるケースもあるからです。

ヒアリング時のデザインに対してのご要望は必ずしもデザインの正解ではないですし、それをカタチにするだけならデザイナーの仕事として十分とは言えません。

ただ、この王道パターンは噛ませ犬かというと、決してそうでもないのです。

デザインに対してご要望が具体的でない場合は、ヒアリングした内容に対して私たちが考える最適解をこの案にします。

それもあり、この王道パターンをブラッシュアップして成果物になることも多いです。

基本的には、余計な先入観や変な慣れを入れず素直につくるために、最初にこのパターンに着手し、全体を通して訴求にブレがないように心がけています。

タンダ

デザインに対して具体的なご要望がなくても全然問題ない(むしろそれが一般的な)ので、ご安心ください♪

2案目は王道パターンに提案や変更を加えたもの・違う解釈をしたデザイン

2案目は、1案目の王道パターンの切り口を変えたものです。

今回は「戸建ての新規分譲開始のチラシつくって」のみだったので、外観案と内観の両方を提示します。

具体的な指示は1案目で制作した上で、「デザインの指示はこうだけど、狙うターゲット層から考えるとこちらの表現のほうが合っているのでは」など提案職の強いものになります。

ヒアリングで得たターゲット層や競合、市場環境、その商品の立ち位置や切り口をハシルデザインで再解釈したものになることが多いですね。

打ち合わせでお話を掘り下げた時「他社さんは赤ばっかり使ってたけど、うちがブルーの商品出してからカラーリング増えてきた」など印象に残った情報を拾って反映させることも多いです。

特に「こういうことがあったから開発の人が頑張って実現した」などのストーリー的な部分は自社では見落としがちですが、デザインの要素として非常に おいしい 貴重なのでそこから膨らましてメインビジュアルのキーになることも。

打ち合わせでは「あんま関係ないことよう聞くなー」と思われていると思いますが、そこは「何かヒントをと必死なんやな」と温かくご対応いただけると喜びます…!

3案目は楽しくなるような冒険するデザイン

1案目、2案目と切り口は違えどそこそこ手堅い案を出しますが、3案目はなるべく「見てテンションが上がるような楽しいもの」にするようにしています。

タンダ

いわゆる「冒険したデザイン」です!

とは言っても、予算や環境的に実現不可能なものはもちろん出しません。

キービジュアルを思い切ってアニメ調にしてプ○キュアのグッズみたいな雰囲気にしてみたり、「さすがにアップしすぎやろ」ってくらい商品写真を大きく扱ったり、全部文字も含めて手描きにしてみたり、いっそ表に商品写真を入れなかったり。

わかりやすい例で挙げると上記のようなものになりますが、どれも奇をてらったものなわけではなく「ターゲットに対して表現を突き抜けさせた」ものが、結果的に冒険するデザインになります。

これはお出しした際に大抵驚かれます。

そしてものすっごくウケて真剣に正式案として検討されることも多いですが、反応に困られていることも正直あります。笑

あまりこれをブログで言うことではないかもしれませんが、この案を出すことで「ここまで振り切る考えもあるのか」とクライアントに感じていただくことで、「こうあるべき」「だいたいこんな感じだろう」といった漠然とした枠を広げたり取っ払ったりしていただきたいという狙いがあったりなかったり…。

単純にこちらもつくってて楽しいというのも大いにありますし、やはりチャレンジしていくことは大切。

そして私たちとデザインを考え、つくっていくことに楽しさを感じていただければそれこそデザイナー冥利に尽きます。

そしてそんな冒険案に意外な突破口があったりするので、なるべく冒険する案を入れるようにしています。

タンダ

意外にこの振り切った案からのちのち派生することもあるから馬鹿にできません。

この3つをベースにデザインの方向性をご提案

今までの3つの案は性質的なもののお話です。

わかりやすく要望は「戸建てのチラシ」のみでしたが、実際には想定顧客の年齢層や年収、家族構成など細かな要素を精査してどのようなビジュアルにするか決めていきます。

どの案も商品のポジション、現状、狙うターゲット層、他社の状況などを考え、取るべきアプローチを明確にした上でデザインに落とし込んでいきます。

そのため、案によっては他の広告媒体との連携や、複数回に渡ってのアプローチなど施策自体をご提案することも。

総合的に販促展開の考え方の方向性を、視覚的に確認する目的でも複数案提出するので、3案以上になることもありますし、王道パターンがない場合、冒険パターンが望まれていない場合などもあり、臨機応変に対応していきます。

ちなみに、初回のご提案時には競合調査やクライアント商品のラインナップなども把握するので、時に扱う商品を絞って広告の展開の仕方を変えるなんてご提案もしたり、この方向性の提案がきっかけで新商品をつくることになったことも。

商品やサービスを見直す機会になったと喜ばれることも多いので、直接デザインに関係ないように見えてもここを怠けるわけにはいきません。

このような流れでハシルデザインは最初のご提案をしています。

タンダ

この記事を読んでご興味を持たれた方はもちろん、自社サービスや商品の見せ方や切り口にお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

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