瀬戸内レモンの異端パッケージ【サッポロ一番 塩らーめんどんぶり 瀬戸内レモン】

大阪は茨木市のデザイン事務所「ハシルデザイン」です。

今年は暑くなるの早かったですね!そのせいか、近くのスーパーのレモン祭りが一瞬で終わり、熱中症対策フェアになっていました…。

タンダ

悲しい…。

そんな刹那のレモンフェアで例のごとくレモン関連商品を買い漁った(けど写真は撮ってなかった)んですが、その中でもひときわ目を引いたのがこちら。

サッポロ一番 塩らーめんどんぶり 瀬戸内レモン味!!

引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001007080909/

今回はなぜこのパッケージに惹かれたか、なぜこのようなパッケージデザインになったか。

完全に無関係の私が100%妄想で語っていきます!

ちなみに味は美味しかったです!

まだ楽天では買えるっぽい…?袋麺はAmazonでも買えるみたいです。

【訳あり】サッポロ一番 塩らーめんどんぶり 瀬戸内レモン味(12個入)【サッポロ一番】
目次

仮説1:塩らーめん瀬戸内レモン味はなぜレモンのイラストや写真を入れないのか

レモン味とするなら、レモンのイラストなどを入れるのが最も手っ取り早いのですが、塩らーめんでは一切食材の図案が入っていません。

なんで?と思い、塩らーめんのパッケージを見てみると…。

サンヨー食品 サッポロ一番 塩らーめんどんぶり バルタン星人のカニ玉風 12入

バルタン星人がいたり、

引用:http://foodsnews.com/articles/view/85383

スヌーピーがいたり。

3月のライオンとコラボした商品もありました。

これらのコラボっぷりを見ていると「食品の図案は入れない」がデザインルールとしてあるのでは?と妄想しています。

もう少し遡ると、2015年にはしそやオリーブオイルの図案が入った商品が!

引用:https://news.nissyoku.co.jp/news/trend20150622112148262

最近のパッケージはロゴの下の帯に何味か表記することが多いようなので、塩らーめんのロゴの背景は白で、文字と帯の色で差をつけるみたいなデザインルールに変わったのかもしれません。

ブランドデザインはどこまでの改変を許容するかの線引が非常に難しいです。

あまり許容しすぎると、もはや何のブランドかわからなくなることもしばしば。

逆に、ブランドデザインのフォーマットに縛られすぎて「逆にわかりづらい」ということもあるので、ブランドデザインに携わっている人は日々そのジレンマと戦っているのではないでしょうか。

仮説2:塩らーめん瀬戸内レモン味の帯の色はなぜグリーンなのか

Fresh yellow lemons overhead view – flat lay

レモン系の食品といえば、やっぱりレモンのイエローを使うのが一般的です。

個人的にはレモンイエローと、シアン(水色っぽい色)の組み合わせが王道だと思っています。配色的に夏っぽいですよね!

みんな大好き、カルディのレモンラーメンのパッケージなんかまさに王道です。

引用:https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4901734040095
引用:https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4901734042723

しかし今回の【サッポロ一番 塩らーめん どんぶり 瀬戸内レモン味】はグリーン。さながらライムです。

なぜイエローでなくグリーンになったのか。

タンダ

もしかしたら、ヒントは去年の【サッポロ一番 塩らーめんどんぶり 瀬戸内レモン&オリーブオイル仕上げ】にあるかもしれません。

2021年の【サッポロ一番 塩らーめんどんぶり 瀬戸内レモン&オリーブオイル仕上げ】には、このように眩しいイエローがガンと使われています!

引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001006140303/

去年のものと今年のものを並べてみました。

2021年の瀬戸内レモン&オリーブオイル仕上げ
2022年の瀬戸内レモン味

レモン感は2021年の方があるものの、ぱっと目に入ってくるのは今年のグリーンのほうかな…。

あまたのレモン系食品と一線を画すためにもグリーンにしたのかもしれません。

そしてもうひとつ、注目したいのが今年のパッケージの「レモンピールの爽やかな香り」です。

レモンは熟すと黄色くなるのですが、グリーンレモンは熟す前で香りも爽やかなです。

そしてレモンの旬は冬なので、夏のレモンは旬ではありません。

そんな「夏といえばレモン!レモンと言えば黄色!」という安直な固定概念を、サッポロ一番は壊したかったのかもしれません。

塩らーめんは、旬でもなく香りが強いわけでもない虚像のイエローレモンに、時期的にも比較的現実に即し、香りも強いグリーンレモンのイメージをぶつけることで、幻想を抱くことを是としたレモン食品市場に一石を投じたと言えるでしょう。多分。

しかし、悲しいかな。

やはりレモンのイラストなどがないため、塩らーめん瀬戸内レモン味のグリーンを見て「香りの爽やかなグリーンレモンの風味だね!」とわかる消費者はごく一握りのような気がします…。

謎の「今限定」の表示

上記2つを比べてもう一つ気になるのが「夏限定」が「今限定」に変わったことです。

今限定。まさに今を生きる。

忙しく日々流れていってしまう現代人には大切な言葉かもしれません。

そんな現代人のライフスタイルにさり気なく疑問を投げかけるようなこの「今限定」。

しかし「今」という時間軸があまりにも主観のため、限定なようで限定されていないのが現実です。

まさに「この商品を目にした【今】限定のものだ」と、一期一会の教えも背景にあるような錯覚に陥ります。

実際にスーパーでお目にかかったのは一回限り。限定の「今」にかけてよかったと思いました。

しかしこの2021年と比べてレモンイエローではなくグリーンを使った点も合わせて考えると、夏限定としたことで何か不都合が出たのではないかと邪推してしまいます。

その「夏限定」の不都合を払拭するための「今限定」だとしたら……。

念の為もう一度お伝えしますが、サッポロ一番塩らーめん 瀬戸内レモン味は美味しかったです!

おまけ:袋麺とどんぶりでABテストをした結果?

カップ麺のパッケージを見ると、去年と今年ではイエローとグリーンという明らかな差がありますが、袋麺は去年もグリーンだったようです。

2021年のパッケージ
引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001006140301/
2022年のパッケージ
引用:https://www.yodobashi.com/product/100000001007026236/

差としては

  • 夏限定を今限定変更
  • 冷やし一択だったのが冷温選べるに変更
  • 瀬戸内レモン仕立てから瀬戸内レモン味に変更
  • グリーンの帯の幅が広くなった
  • ラーメン写真は再撮影した模様

くらいでしょうか。

この調理例を見ていると、使われているのはイエローレモンなので、爽やかな香りのグリーンレモンアピール説はちょっと弱くなってきますね…。

いや、もしかするとグリーンレモンを使ってみたら「かぼすみたいに見えるのでは?」という意見があったのかもしれません。

ともあれ、どんぶりと袋麺のメインカラーを変えることで、何かしら差が出た可能性があります。

このデザインの変遷だけを見ると、2021年は袋麺のほうが売上が伸びたのかもしれません。

タンダ

去年だとおこもり需要もあったのかな?

ヨドバシカメラでは1パックずつ買えるので、もし興味があれば!

サンヨー食品【限定】サッポロ一番 塩らーめん 冷やし瀬戸内レモン味 5個パック

まとめ

今回は気になるパッケージとして【サッポロ一番 塩らーめんどんぶり 瀬戸内レモン】のパッケージについて勝手にいろいろ妄想してきました。

よく「なんでこのデザインになったんだ?デザイナーの力量を疑う」なんて声も目にしたりしますが、100%デザイナーの意向が反映されることは、それこそほぼ100%ありません。

世に出てくるデザインは、予想より遥かにたくさんの人達の意見や何やらかんやらが影響し、それをなんとかまとめ上げて世に出せるカタチにするのもデザイナーの仕事の一つです。(むしろそれがメインになることも)

5年ほど前の日清社のツイートですが、これはネタだったとしても、ありえない話ではありません。

こんな鬼修正を掻い潜って世に出てくるデザインたち。

そんなデザインのちょっとした違和感に思いを馳せて妄想してみるのも面白いものです。

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